人工遺伝子合成関連サービス

目的の遺伝子からタンパク質を得るためには伝統的にはクローニングという手法が用いられてきました。クローニングは、ひとつひとつの遺伝子の研究をするためには欠かせない手法ですが、入手が困難な場合もありますし、変異の影響を確認するためには多くの変異の入った配列を作る必要があり現実的ではありません。そこで活用されるのが「人工遺伝子」「遺伝子合成」と呼ばれる技術です。

原理的には、短いDNA断片を合成しつなぎ合わせていくことで数kbpといった遺伝子をコードできる長さにしていく技術です。この際、DNAの配列に元の配列とは異なる塩基を入れることで変異を入れることもできますし、お望みの場所に制限酵素サイトを入れることもできます。また多くの場合、目的のクローニングベクターや発現ベクターに組み込むことができます。

人工遺伝子は、数十〜のDNA断片をつなぎ合わせて一つの遺伝子を合成しますが、並列度が上がればその分、同時に合成できる遺伝子の数が増えていきます。例えば96wellプレートで合成できるのは、多くの場合遺伝子1つです。Twistでは、ウェルプレートと同じ面積のシリコン基板上に超高密度・超高並列に合成を行い、9,600の遺伝子を同時に合成することができます。

Twist Bioscience: Writing the Future with Synthetic DNA
Twist Bioscience is writing the future of DNA synthesis for healthcare, biomaterials, chemicals and even digital data storage. See how its silicon-based, ult…
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当然、製造コストにおけるメリットもありますが、多くの配列を同時に合成できるということは、たとえば変異ライブラリーの合成が非常に効率的に行うことができることも意味します。

例えば、変異株ライブラリーや抗体のヒト化やアフィニティーマチュレーションなどをファージディスプレイで行う場合やCRISPR/Cas9などで用いるガイドRNAは、バリエーションが多ければ多いほど適切な配列をスクリーニングで得る確率が大きくなります。

Twistでは、ライブラリを活用し、ファージディスプレイによる抗体探索、ヒト化、アフィニティーマチュレーションも提供しています。